巡検(「地理・空間フィールドワークI・II」)について
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地理・空間コースでは,フィールドワーク教育を重視しており,2年時のAセメスター(「地理・空間フィールドワークI」)と3年時のSセメスター(「地理・空間フィールドワークII」)の2回,3泊4日程度の野外実習を行います.
調査に先立って毎週,人文地理学演習として調査準備のためのトレーニングを行います.主な内容は(1)調査地・テーマに関する文献の検討,(2)調査地での調査計画の策定および事前準備(アポイント取りなど)などとなります.
野外実習では,各自で現地観察,聞き取り調査,現地資料の渉猟を行います.実習先では多くの事を学生自身で行うことになりますが,適宜,教員もしくは TAが同行し,アドバイスを行います.また,毎晩,ミーティングを行い,その日得た知見について報告を行うと共に調査計画の再検討が行われます.
野外実習終了後は,調査結果をレポートにまとめます.調査結果のレポートは現地を訪れたことがない人でも内容が理解できるように,地域の状況を的確に書き込むことが要求されます.また,内容を読者に正確に伝え,学術的な検討にも耐えうるよう,適切な資料の呈示・加工・図化も求められ,実習系の授業(地理情報分析基礎I・II)で習得したスキルを活かしていくことが求められます(地理情報分析基礎I・IIはある程度,野外実習の内容と連動して行われます).
提出されたレポートは,担当教員およびTAの指導の下,推敲を重ね,地域調査のまとめ方を習得していきます.完成した調査報告書は印刷され,調査でお世話になった方々そして全国の地理学関係教室に送付しています.
1997年度以降の巡検先および報告書は以下のとおりです.
人文地理野外実習報告シリーズ(【】内部は担当教員,実施年度・学期)
- 茨城県桜川村浮島地区の農業と社会【永田・1996年度冬学期】
- 木曽地域の産業と社会【荒井・1997年度夏学期】
- 埼玉県西部地域の産業と社会:小川町,寄居町を中心に【谷内・1997年度冬学期】
- 岩手県葛巻町の酪農ろ地域社会【永田・1998年度夏学期】
- 静岡市・清水市における都市と産業【松原・1998年度冬学期】
- 新潟県中条町・粟島浦村の産業と地域社会【荒井・1999年度夏学期】
- 千葉県銚子市・旭市の産業【谷内・1999年度冬学期】
- 東京都八丈町の産業【永田・2000年度夏学期】
- 変動する山梨の産業と地域【松原・2000年度冬学期】
- 岐阜県神岡町の産業とその変容【谷内・2001年度夏学期】
- 横浜市のスカーフ関連産業【荒井・2001年度冬学期】
- 新潟県相川町の産業と社会【永田・2002年度夏学期】
- 群馬の都市と産業の新展開【松原・2002年度冬学期】
- 山形県庄内地域の産業と社会【谷内・2003年度夏学期】
- 愛知県渥美半島の園芸農業【荒井・2003年度冬学期】
- 隠岐西ノ島の産業と社会【永田・2004年度夏学期】
- 北海道十勝地方の農業・農村【永田・2005年度夏学期】
- 栃木の都市空間と産業の変貌【松原・2004年度冬学期】
- 八王子市・郡内地域における繊維産業【荒井・2005年度冬学期】
- 長野県富士見町の農業と地域振興【谷内・2006年度夏学期】
- 茨城県日立市の産業展開と地域社会【松原・2006年度冬学期】
- 高知県土佐町の農業と地域社会【永田・2007年度夏学期】
- 神奈川県三浦市の農業と観光【荒井・2007年度冬学期】
- 大分県における地域開発の諸相【梶田・2008年度夏学期】
- 千葉県における産業と地域の変貌【松原・2008年度冬学期】
- 熊本県天草地域の産業と社会【永田・2009年度夏学期】
- 千葉県南房総地域の産業とその変貌【荒井・2009年度冬学期】
- 香川県における地域の諸相【梶田・2010年度夏学期】
- 愛知県における工業と地域の変貌【松原・2010年度冬学期】
- 長崎県平戸市の産業と社会【永田・2011年度夏学期】
- 広島県尾道市瀬戸田町における諸産業【荒井・2012年度冬学期】
- 金沢市周辺地域の産業と地域振興【梶田・2012年度夏学期】
- 長野県東信地域における産業と都市【松原・2012年度冬学期】
- 宮崎県西都市の農業と社会【永田・2013年度夏学期】
- 香川県小豆島の産業【荒井・2013年度冬学期】
- 福岡県の地域経済と社会【梶田・2014年度夏学期】
- 新潟市の産業と都市【松原・2014年度冬学期】
- 大分県佐伯市の産業と社会【永田・2015年度Sセメスター】
- 静岡県島田市の産業【荒井・2015年度Aセメスター】
- 十勝地方の地域経済と社会【梶田・2016年度Sセメスター】
- 置賜地方の産業と社会【松原・2016年度Aセメスター】
- 北海道余市の農業と社会【永田・2017年度Sセメスター】
- 広島市周辺地域の産業【荒井・2017年度Aセメスター】
- 「京都」の諸相/諸層【梶田・2018年度Sセメスター】
- 石川県白山市と周辺地域における産業とまちづくり【松原・2018年度Aセメスター】
- 酒田市の産業と社会【永田・2019年度Sセメスター】
- 三重県の産業と社会【松原・2019年度Aセメスター】
- 薩摩地方を視る【梶田・2020年度Sセメスター】
- 神奈川県の都市と社会【松原・2020年度Aセメスター】
- 新潟県十日町市【永田・2021年度Sセメスター】
※ 報告書刊行時期の関係で,実習を行った時期と報告書の号数が逆転しているものがあります.
- 現在報告書を作成中または実施予定の野外実習
埼玉県【松原・2021年度Aセメスター】
高知県高知市【梶田・2022年度Sセメスター】
なお,前期課程において,永田教授が担当されている地域生態学の授業では3泊4日の野外調査を実施しており,人文地理学におけるフィールドワークに触れる機会が設けられています.地域生態学の巡検内容についてはこちらをご覧ください.